海賊よりも怖い話

今日は朝からWBC日米戦。
いきなり先制され、追いついたと思ったらまた突き放され、と、これで終わりかと思ったら、一気に逆転。
終盤の8回表に2点差まで追い詰められた所で、直後に3点を挙げて突き放し、これで勝負あり。
日本が見事決勝進出を決め、5度目の対韓国戦。


それにしても、世界一を決める、と言う触れ込みで開催されている大会で、全対戦相手が4箇国しか無くて(韓国×5回、キューバ×2回、米国/中国各1回)、同じ相手と5度当たる組み合わせ、と言うのは、やっぱり変ですよ。
決勝で2度目の対戦があるのは致し方ないにしても、予選で何度も当たる組み合わせにするべきじゃないと思うんですがねぇ・・・。
次回以降の大会で見直して欲しいものですが、主催の米国が2度とも決勝に残れなかったので、大会自体が果たして次回も開催されるのか、微妙な所。(^_^;)


と思っていたら、気がつけば楽天の一場君とヤクルトの宮出君がトレード成立していたので驚き。
一場君は「一度に3人の球団オーナーの首を飛ばした選手」として散々大騒ぎされながら入団しましたが、結局結果を残す事が出来ず放出される形となってしまいました。
彼は公式戦初完封を千葉マリンで達成していますが、その試合は見に行けず、彼の登板を実際に見る事が出来ないまま月日は流れ、やっと現地で見られた、と思ったら、雨天ノーゲームで記録は幻に
結局楽天時代に彼が公式戦に登板する姿を見られなかったのは残念です。
因みに宮出君は交流戦の御陰で現地観戦した試合で見る事が出来ました。
心機一転、二人の今後の活躍を願うばかりです。


前置きが長くなってしまいましたが、昨日ソマリア沖で日本船が海賊に襲われたとの事。
結局逃げ切って怪我した乗員もなく、積荷に被害もなかったようで、まずは一安心ですが、このニュースを聞いて非常に恐ろしくなりました。


勿論海賊被害を受けるかもしれない、と言う事だけではなく、「日本船なのに、日本人が乗り組んでいない」ことです。
考えてみると、これは非常に由々しき問題です。


敢えて書くまでもなく、日本は資源の殆どを外国からの輸入に頼っており、国内産業もかなりの部分を輸出に依存している事は厳然たる事実です。
日本で消費され、もしくは日本から送付される物資を輸送するには、航空機ではとても賄えず、海運事業に頼らなければ、国内の産業は成り立ちません。
そう言う国の命運を握る物資輸送を、外国人に頼まざるを得ない現状がある事を、日本国内でもっと認識しなければならないと思うのです。


日本人でない人ばかりが乗り組んでいたらどうなるか、と考えてみたらどうなるでしょう?
例えば、その船員の母国で政情不安が発生し、自分自身、及び母国に残した家族の生命や財産に危険が生じたら、とても仕事どころではならなくなるでしょう。
それから、今回のように乗り組んでいる船が海賊に襲われる危険が生じたり、寄港地や航路周辺の国に何か問題が起きたとしたら、自分の国の船でもないのに、危険を承知で敢えて乗り組む人が出てくるとは思いません。
当然日本人乗組員がいないのですから、今後を担う日本の若手の人材育成が出来ていない事も容易に推測できます。
そんな形で日本の貿易船に乗り組む乗組員がいなくなってしまったら、日本の経済活動は確実に破綻するのは明白です。
放置したら、後々取り返しが付かなくなりますよ、本当。


現状、日本人が何故乗り組んでいないのか?
答えは簡単、「人件費がかかるから」です。
だから賃金の安い外国人船員に乗り組んで貰えば、輸送コストが安く抑えられる、と言う具合。


つい数年前、何処ぞやの人が「民間に出来る事は民間で」と言って、何でもかんでも民営化する動きが加速していますが、民間業者だったら当然収益優先で考えますから、ただでさえこの不景気、削れるコストは削ってしまおう、と考えるのは必然と言えます。
はっきり言って、政府が民間に任せっきりにして、放置したから起きた問題ですよ、この話は。


だから我が国の国益、と言うよりも国民の生命と財産がかかっている非常に重要な事なのですから、例えば日本人船員の割合や実際に乗り組んでいる期間や船内業務の重要性に応じて、税額を減免するなどの奨励策を取ったり、船員の研修制度を助成するなど、積極的に海運業を担う国内の人材育成が出来るような政策をとっていくべきだと思うんですよ。


国内では海賊問題という表面的な問題だけでしか騒いでないようですが、もっと本質的部分に踏み込んで、対策を検討して欲しいものです。