サンダース人形の示すもの

1985年(昭和60年)、阪神が優勝した時に、暴徒化したファンが道頓堀川に投げ込んだカーネル・サンダース人形がようやく引き上げられたのだそうです。


それにしても、引き上げられた写真を見ると、ヘドロまみれの川底に沈んでいたせいか、すっかり気色悪い色に変色しちゃいましたなぁ・・・・。


阪神球団は過去の反省(?)からか、是非甲子園にある球団歴史館へ保存したいと言っているようですが、果たしてどうなる事やら。


で、野球とは関係ないのですが、サンダース人形の置かれている現状から、FC制の事について考えてみたいと思います。


この件にまつわる記事を読んでいて思ったのですが、この人形、日本KFC社本体が、加盟店の商店主に売りつける形を取っているようです。
既にこの被害に遭ったKFCの道頓堀店は既に閉店しているそうで、直接の引き取り相手がおらず、既に店へ売りつけた人形なので、KFCに引き取り権があるか警察が調べていたのだとか。


KFCは各地の商店主がチェーン店に加盟して、店舗網を形成している、いわばコンビニと同じ店舗体系を取っているんでしょうね。
だから、加盟料を取るだけじゃなくて、人形含めた看板や店舗の内装も、加盟店に負担させて、自分たちは設備投資することによる懐が痛まないようにしているんでしょう。


コンビニでも往々にしてありますが、本体が店舗に圧力をかけて、営業時間の決定権や、商品の価格設定権を店舗側に認めず、仕入れは加盟店の責任で専用ルート以外での仕入れを認めず、食料品の在庫処分リスクは店舗側に負わせ、利益が出たら本体がしっかり吸い上げる、と言う店舗側には片務的な不平等契約を結ばさせられるような形で、運営させられてるのだろうと疑わざるを得ません。


マクドナルドの名ばかり管理職の時は、会社側が直営店をフランチャイズ店に変更し、店長を事実上強制的にフランチャイズ店長に仕立て上げ、個人事業主にさせて残業手当支給義務から完全かつ「合法的」に除外する、などという姑息な手段を会社側が取ろうとしていましたが、KFC店舗も似たような状況なのかもしれません。


こういう地場の起業家たちに著しい不平等を強いるFC系会社の姿勢を見るに付け、こういう事を問題視する声がなかなか世間の話題として上がってこない現状、と言うのも、考えてみれば恐ろしい話です。


でも、考えてみたら、こういう会社って、TVのスポンサーとか、広告とか、マスコミへ相当の金を落としている上級顧客が多いんですよね。
だからマスコミの連中も、スポンサー収入が途絶えるのを恐れて、敢えて深入りしないようにしているのかも。


所詮「言論の自由」って、絵に描いた餅に過ぎないんですかねぇ・・・。