学識経験者

日曜日(12月21日)の記事ですが、多くの私立大学が、有価証券の資金運用で多額の損失を出しているのだそうです。


記事を見ると、皆全国的に有名な学校ばかり。
駒澤大学では、多額の損失に理事長が責任を追求され、解任に追い込まれたのだとか。


原因は、最近世界中を覆っている大不況により、株価が急落してしまったからなのだそうです。
確かに、企業は軒並み大幅な減収減益、赤字転落も続出する中、大学とて例外ではなかったわけですね・・・・。


大学は学校法人ですから、営利企業程ではないにしても、学校の建物や施設を維持し、職員の人件費や研究費を確保していく上では、多額の資金が必要になるわけですから、授業料や私学助成などの収入だけでは厳しく、株や投資信託社債などを購入し、その利益を学校運営に充てていくことは必要でしょう。
ただ、有価証券は運用リスクが大きいですからねぇ。


学費を払っている側からすれば、さらなる学費の値上げだってあり得るわけで、「自分たちは費用をやりくりして、多額の学費を払っているのに、自分たちとか関係のない所で大損しているとは何事だ!!」と憤りたくなるのも当然でしょう。


よく、色々な社会問題が起こった時、政府が何をやるかというと、その道の専門家である人々、所謂「学識経験者」を呼んできて、委員会なり諮問機関なりを作って、その中での協議結果を踏まえて政策を決定する、なんて事が往々にして行われています。


で、考えてみれば、大学なら、経済学なり経営学なりの専門家が大勢揃っていて、「学識経験者」だらけなんですから、大学経営にそう言った教授とかの意見を取りまとめて、学校の資金運営をやって貰えば、此処まで多額の損失を来すような事もなかったんじゃないか、と考えてしまうんですがねぇ・・・。
確かに景気の減速は想像以上なのかもしれませんが、米国の不動産バブルはかなり前から進んでいて、このままではいずれ破綻してしまう、と警告していた人もいるような気がするのですが・・・・。


これだけ多くの大学=「学識経験者が大勢揃っている所」で多額の損失が出ている、と言う事は、学識経験者という方々は、意外と実際の資金運営には詳しくなかったんですかねぇ。
それとも、大学経営のあり方が、そう言う方々の知識を活かすような体制になっていないのか・・・・。


資源の乏しい日本が、今後生き残って行くには、教育を充分受けた人たちを大勢社会に送り出し、そう言う人たちの知識と英知で国作りを進めていく、と言った、「教育」という資源を確保していく事が必要だと、私自身思っています。
そう言った中で、大学の存在意義は極めて重要になるわけですから、大学経営が非常に厳しい、と言うのは、結局国力の減退に繋がっていくわけで、今後の先行きが心配でなりません。


結局の所、とにかく早急に必要な国の政策は、「景気対策」って事になりますね。