何処まで本気?

また社会派の道(?)を進もうとしている、最近の私(笑)。


財務省のWebサイトに、財務大臣になって予算を組むと言うシミュレーションゲームがあります。
福祉や年金、地方交付、防衛、経済対策など、色々な予算用途別に増減額を決めて、予算を組んでいく、と言うゲームなのですが、これが酷い内容過ぎて、背筋が凍りそうです。


このシミュレーションの主題は、現在の国債による借金が膨らみすぎている現状、これ以上借金を重ねると、孫子の代に多大なるツケを残さないようにする、という観点でしか作られてません。
そりゃ親や祖父/祖母達は、自分の子供や孫達に借金押しつけて知らん顔しよう、とは考えないでしょうけど・・・。
現状我が国の財政は、シャレにならない位膨大な国債残高を抱えて、実は財政破綻寸前、と言う事実は確かにわかるんですけどねぇ。


ゲーム初期値を、そのままの予算配分でやってみると、「たちまち国家は借金だらけで、将来の借金が貯まってしまう、暗黒の将来になる」と言われてしまいます。
と言う事は、初期値は今年度の当初予算をモデルにしていると思われるので、今年の予算の組み方がそもそも「暗黒の将来」を示している事になるんじゃないの?


実際にやってみると、ちょっとやそっとで歳出を削減しても、全然財政基盤は好転しません。
で、歳出を片っ端から大幅に30%(ゲームで設定できる最大値)位削り、歳入となる年金や医療保険料、税制をそれぞれ30%増やして初めて、「財政が好転して明るい未来になる」と言う結果が表示されます。
一体何処まで本気で考えてるのか・・・・。
こういうやり方で、国民が何も判らないと考えて、洗脳しようとしてるんじゃないの?とまで思ってしまいます。


これって、ただでさえ医療崩壊がとんでもない状態になっている現状や、年金受給額減少が明らかに予想されていたり、不況で税収の落ち込みが更に激しくなっている中、税金や保険料を滅茶苦茶上げて、行政サービスを根本から削ってしまったら、誰も生活できなくなって、この国が崩壊しますよ・・・・。


財政状況の改善は勿論必須です。
長期的に見れば、このやり方なら、将来的に国家財政は好転するかもしれません。
ただ、その将来が100年だったり200年、って言う話なら、現在生きている人は、そんな改善を見る事もなく、みんなこの世を去ってますよ。
そんな長期の話だったら意味無いんです。
今生きている人たちの生活を完全に破壊してしまったら、将来の国民なんて存在できないんですよ。


まずはバブル崩壊から18年間改善されておらず、落ち込んだままの景気回復策が必要です。
暫く前は景気上昇、と言ってましたが、こんなのは企業の帳簿が見た目上改善していただけで、需要が拡大しないまま、実質は縮小均衡のまま推移してただけですからね。


必要なのは、国内の需要を拡大させる=国民の収入を上げる=大幅減税しかないと思うんですよねぇ・・・。
それも2兆円の給付金、とか言うレベルじゃなくて、10〜20兆円位は必要じゃないですかね?


このせいで国債は増えますが、とにかく今生きている人の生活をどうにかしないと始まりません。
景気を回復させれば、各人の収入が上がりますから、税収も自然と増えます。
そこである程度景気が回復した時点で、増税して歳入を上げていく・・・と言う方法を取るべきだと思うんですよ。


それにしても、とにかく国民から取るだけ取って、財布の紐を固く縛りまくる事が必要だ、という観点でしかものを見ていない財務省は、一体何考えてるんでしょうね・・・・。
国民は「税金支払いマシーン」じゃないんだよ、全く。