公共工事のあり方を考えてみる

今日は奇跡的に千葉がJ1残留を決めたそうですな。
試合前までは自動降格圏内かつ自力残留も消えていた訳で、本当に幸運としか言いようがありません。
これで唯一の「創設時から2部降格無し」記録を維持できて、首が繋がったんですから、来年こそ優勝、とは言いませんので(笑)、降格圏内に落ちないよう、奮起して欲しいものです。


今度は、うっしいさんからご意見のあった公共工事について、思う所を述べてみたいと思います。


公共工事」、と呼ばれるもの、計画から完成後の維持を考えると、公共事業と呼んだほうが良いかもしれませんが、全てが駄目というのではなく、確かに必要です。
これは何も工事に限った話ではなく、行政機関が行う全ての事業に関して言えるでしょう。
そして談合は確かに悪い事ですが、とりわけ中小企業からすると、生活のためにやむなく、と言う例もありますし、そう言った会社を経営する人の切実な気持ちを聞いてしまうと、理屈では駄目と思っても、そこまで言える気持ちになれない、と思った事も、確かにあります。


道路だって無駄なものが多い、と散々叩かれてますが、渋滞緩和や事故防止のための道路整備(曲がりくねって見通しの悪い道を直線にするとか)、出来上がった道路の維持など、必要な工事はたくさんあります。
問題なのは、誰のために、どれだけ必要なのか、と言う基準でなく、政治家や官僚、企業や地元の有力者などの意向で強引(もしくはそれに近い形で)に話が進み、途中の議論や、事業決定までに至るプロセスが透明化されず、明確な基準もなく決定され、一旦事業が進んだら、その後何らかの問題が発見されたとしても、「もう決まった事だから」と見直しを拒否し、無理矢理進めてしまう、と言う事だと考えています。


まだ工事などは始まってませんが、築地市場の移転話などは典型的な例です。
移転先の土地に有害物質が大量に発見された、と言う事が明らかになった訳ですから、生鮮食品を扱う土地に転用するのはとんでもない話だ、と考えるのが普通と思うのですが、東京都は移転をどうしても諦めたくないのか、移転先の土壌を厚さ何メートルか掘って撤去し、また同じだけの土をよそから持ってきて入れ替えればいいじゃないか、なんて考えているみたいですからね。
しかもその費用は、しめて1,300億円。
これだけ多額の費用をかけて、それでも無理矢理この場所に移転させる必要が何処にあるんでしょうかね?
しかも食生活という、人間が生きる上で極めて重要な要素を取り扱う市場の場所ですよ?
これこそ「決まったら見直しすら考えず、強引に物事を進める」公共事業の典型でしょう。


事業が途中まで進んだけど、問題があるから中止した、という例もゼロではないですが、私がすぐに思いつくのは、お台場で開催されそうになった世界都市博覧会位ですかね。
都市博の期間は、 平成8年(1996年)3月24日から10月13日までの204日間、想定来場者数は2,000万人、という計画だったそうですが、これを1日平均で割ると、98,000人余り。
近くにあるTDL(当時TDSは開園してない)の入場者数は、こちらのサイトによるとTDL開園(昭和58年(1983年))から都市博前年の平成7年(1995年)までの入場者数は、合計1億7,775万人だそうで、1日平均に換算すると、38,275人。
一体どうすれば、単発の博覧会で、当時からテーマパークで一人勝ちだった(しかも近所にある)TDLの入場者数を、平均2.5倍以上も上回るような数字を見込めるんでしょうかね?
この情報だけで、開催を画策した人間が何としてでも開催を強行するため、意図的にひねり出した、如何にとんでもなくいい加減な数字だったか、と言う事が明確に判ります。


こういう問題を対策するにはどうするか?と考えたら、上に書いたように、「誰のために、どれだけ必要なのか」を明確にして、計画段階からのプロセスを透明化し、徹底的に議論して、方針を確立することではないでしょうか?
そのためにはどうするか?
やはり皆が政治に関心を持ち、真に地域なり国家なりに貢献できる人は誰なのか、という事を注意深く見守っていくことから始めねばならないと思います。
そして選ばれた代表者達が、世の中の利益にならないと見なされないよう、各々緊張感を持って活動に取り組む環境作りが必要です。
今まで問題だらけの仕組みを変えることが出来る方法が、選挙制度、と言う事になります。
選挙は単なる人気投票ではなく、地域や国家の行く末を誰に託せば良いか、真剣に見極めねばならない場である事を、意識すべきだと思います。


一人で頑張った所で、世の中の仕組みを変える事は困難ですが、そう言って諦めてしまっては、結局何も変わらないままです。
与えられた一票を、後で後悔しないように、大切に使っていきたいと思います。


また長くなってしまいました。(^_^;;)