台湾野球の危機

台湾のプロ野球界が存続の危機に立たされているそうです。


私は今日の読売新聞の記事で知ったのですが、Webには載っていないみたいです。
朝日新聞のWebには載ってましたが、暫くしたらリンク切れになるかも。


何でも球団ぐるみの八百長が発覚して1チームが解散に追い込まれ、後を追うようにもう1球団経営難で解散を発表し、残るは4チームになってしまったんだとか。


読売の記事によると、過去に八百長を行っていた事が明るみに出たことで、どんどんファン離れが進み、そして今年一つの球団が暴力団とつるんで八百長をしていた事が大問題になってしまい、これが致命的になっているのだとか。


台湾のプロ野球は、ただでさえ選手の平均年俸が安い(最高クラスでも2〜3千万円)事から、裏社会から金銭を選手にちらつかせて八百長を仕組んでいたそうで、協力すると60〜70万円の報酬を貰えるとかで選手が食いついて八百長に手を出し、はまり込んでいったようです。


一度八百長に手を染めれば、裏社会から弱みを握られる訳で、その後改心して断わろうものなら、世間にばらされて永久追放されるだけでなく、命だって危なくなる訳ですからね。


昔、日本でも「黒い霧事件」と呼ばれる八百長疑惑がありましたね・・・。


私はリアルタイムでこの事件を見た訳ではないんですが、学生時代、Webで情報を調べるなんて便利なものがなかった時代、図書館に行って、当時の新聞の縮刷版を漁り、どういう事件だったのか自分なりに調べてみた事があります。


当時は選手の待遇も、今と比較すると、ごく一部のスター選手以外は待遇も悪く、報酬をちらつかせて八百長を持ちかけられる選手も少なくなかったんだとか。
誘いを断ると、怪我をさせられて引退に追い込まれた選手もいたそうです。


永久追放された選手の中には、「金は受け取ったが、あとで返すつもりだった。自分は八百長をやっていない」と主張する人もいましたが、当時のマスコミ報道では「金を受け取った人間が、八百長をやっていないと言った所で、説得力はないだろう」と、批判的な論調に終始していました。


何だか、現在の台湾球界と似たような状況です。
日本では球団の解散、と言う事態は避けられましたが、日本のプロ野球もファン離れが激しくなった時期もあったようです。
今でも裏集団とのつきあいを噂される選手もいるようですが、そう言う事実がない事を祈るばかりです。


先日も食品偽装の件で少し書きましたが、選手、球団と、試合を見に来るファンとの間は、チーム同士が力の限り対決して勝負する、と言う事が前提の、所謂信頼関係で成り立っている訳ですから、その信頼が崩れてしまえば、試合を見る価値など無い、と、ファンが離れていくのは当然でしょう。


その信頼を回復する事は、食品偽装の件を挙げるまでもなく、非常に厳しく、険しい道のりです。
八百長をやって、一時報酬で潤った所で、結局信頼を壊してしまえば、試合に金を払ってくれるファンがいなくなり、台湾のように球団が消滅し、報酬を得る場所すらなくなってしまえば、結局目先の金にとらわれて、自分の首を絞めるだけですよ。
ひいては将来野球選手を目指す若者の夢すら壊してしまう事になる訳で、そう言う立場の人からすれば、完全な裏切り行為以外の何物でもありません。


この危機をどう受け止めて、信頼回復に臨むか・・・・。
台湾球界の正念場だと思います。