経費節減の折

バブル崩壊以降、何処の会社でも、経費節減を唱えて、今まで経費として自分の懐から持ち出し無く処理できていたものが、制限や締め付けが厳しくなって、昔は当たり前のように出来ていたことが、完全に出来なくなっている事が多いと思います。


バブル時代は、「昔は交際費使って酒を飲み、帰りが深夜になってもタクシー券使いまくって持ち出しなし」なんて事も当たり前のように出来た訳で、「あの頃は良かったなぁ・・・・。」という方も多いのでは?


会社の利益を上げるためには、「売り上げを伸ばす」か、「出ていく費用を抑える」事が必要です。
前者はそれなりの労力がかかりますし、いきなり売り上げ急上昇、なんてのは難しいですが、後者は社員に命令すれば良いだけなので、会社としては当然遙かに簡単な方、まず後者を取るのは自明ですよね。


千葉マリンに足繁く通っていると、当然球団だって「企業」ですから、経費削減と売上上昇、と言うことに頭をひねる必要がある訳で、実際見てみると、そう言う考えが出てきていると感じることが多くなります。
私が気づいた範囲では、以下の通り。


(経費削減)
チアリーダー(M-SPLASH)の定員削減(今年から)
 →その結果、オープニングダンスは土日祝日のみ実施
・スタジアムDJの削減(今年から)
 →試合前の案内、マリーンズスタメン発表を行う男性DJは土日祝日だけ出演
・チケット発券のコンピュータ化(2006年から)
 →売れた分だけ印刷でき、用紙コスト、印刷コストの軽減
・販売窓口の集中(2006年から)
 →販売係員を集中することで、人員配置の余剰を軽減
・球場Dゲート内の案内所撤去(今年から)
 →既設のインフォメーションセンターに人員を集中
・招待券配布削減(2006年から)
 →招待券の発行を減らし、入場券購入者を増やす 


(増収対策)
・外野フェンスの広告解禁(2005年から)
 →当然、広告収入増加を目的とする。
・外野スタンドの広告看板増設(2007年から、既存の看板の下及び外野スタンド屋根の柱)
 →同上。
・内野2階席下段庇部分に、「ウイングビジョン」増設(今年から)
 →此処に広告を出すことで、広告収入増加を目的とするが、設置及び運営費、保守費をどの段階で回収できるかが鍵。
・企業、各種団体に試合スポンサーとなって貰う(「○○(企業、団体名)マッチデー」)
 →昨年度当たりから、かなり対象試合数増加。
・球場施設運営権を球団側が握る(2006年から)
 →これにより売店の所場代が球団に落ち、球場の裁量で球場前の出店設置が可能(店舗数増加=所場代増収)
・自由席券の値上げ(2006年から)
 →外野席200円値上げ、内野自由席のファンクラブ価格を1,500円→1,600円(前売)、1,900円(当日)に値上げ、
  その代わり指定席券の価格を多少下げ、空席の目立つ(自由席より高い)指定席の集客増加を目指す。
・フィールドウイングシートの設置(2006年から)
 →全体の座席数を増やし、選手の目線に近い形で試合観戦できるようにして、集客UPを図る。
  但し設置工事費用がどれだけの期間で回収できるかによって微妙。


(話題性対策)
・ピクニックボックス(3塁側S席上段)、スタンドデッキ(レフトスタンド上段センター寄り)
 →座席数が減少し、定員減少するが、普段回転率の良くない席を、話題性により集客数を増やすことで、回転率を上昇させる。
  事実、両席(特にピクニックボックス)は、土日ほぼ満席、平日もかなり埋まっている。


でも、こういう努力をした所で、一番かかっている経費、「選手の人件費」を埋めるには、まだまだ難しいんでしょうね。
観客数は以前より格段に増えましたが、それでも球団は赤字だ、って言うんだから。
ましてやボビー監督の去就に関して、その年俸がネックになっているとなれば尚更。


年俸貰う人たちも、球団の言いなりになれ、とは言えないけど、自分の年俸を(人によっては億単位の)上げて貰う、と言うことは、大幅な経費の上昇に繋がる訳で、そのツケを払うのは、結局ファンの方である、と言うことは判って欲しいものです。