茨城空港の必要性

来年3月に茨城空港が開港しますが、国内線の就航はゼロのまま開港を迎えることになるようです。


乗り入れるのは、韓国アシアナ航空の1日1往復だけ。
これじゃぁ何のために空港作ったのか、全く無駄以外の何物でもありませんな。
アシアナ航空だって、いつまでも乗り入れてくれるとは限りませんし。


各航空会社が乗り入れを見合わせている現状について、経済情勢が非常に悪い、と言うのは現段階で断るためのあくまで大義名分であり、経済が仮に回復したとしても、就航する航空会社はまず出てこないでしょう。
まず出てこない、と言うのは言い過ぎだとするなら、将来的に空港運営の採算が取れるレベルまで、乗り入れ便が増えることは無い、と言うことだけは、間違いなく言えるはずです。


少なくとも、国内の空港というものは、以下の条件いずれかが当てはまらないと、運営は成り立ちません。


 ・東京直行便の需要があること。→地方空港の必要意義、とも言えます。
 ・政令市クラスの大都市を抱えていること。→それなりに需要が見込める


大阪、福岡、札幌は両方とも当てはまってますし、名古屋、仙台の東京便は近すぎて飛んでませんが、後者に当てはまるので、地方空港としての地位を確立しています。


かたや茨城空港はどうか・・・と言いますと、

 ・東京行きの便は近すぎて、路線設定されることはまずあり得ない。

 ・周囲に大都市がない。→近隣の最多年は水戸市で、それでも26万人位、隣接の土浦市で15万弱

 ・ついでに挙げると、成田空港が近くにあり、国際便の需要は見込めない。
  成田の補完的位置付けとして好意的に考えても、東京から更に遠いので、例外的にしか需要は無さそう。
  飛行機トラブル時に緊急着陸できる空港、と言う見方で考えても、隣接する百里基地の滑走路を借りれば済む話。


とまぁ、好意的に受け取れる要素が見あたりませんし、私自身、どうして茨城空港を作る必要があったのか、今でもまるで理解できません。


この話と同じ事は、静岡空港にも言えますが。
静岡市政令指定都市で、人口70万人以上ですが、清水市等との合併によって出来た、いわば「膨張政策」によるもので、人口密度が増えたとか、正味での人口増加によって出来たものではないので、他の政令市と同等に考えるのは無理があります。
しかも静岡には新幹線が走ってますし、ある程度高速に遠くまで行く手段があるので、存在意義は下手をすると茨城より低いかも知れません。


で、この状態で予定通り3月に開港する方針は撤回されてないようです。
当然運営費や維持費がかかりますから、1日1往復の航空便だけでは採算が取れる訳がなく、間違いなく赤字経営に陥るでしょう。


その赤字補填は、結局国民や県民からの税金で賄われる事になる訳で・・・・。
望んでもいないものを地域のメンツだけで作らせて、あとは国や県が何とかしてくれるだろう、と言う考えは、多くの公共工事に言えますが、いい加減こんな無駄な行政手法は止めて貰いたいものです。