夢に賭けた人々

少し日数が過ぎてしまいましたが、3/21、22日に、フジテレビで放送された黒部の太陽と言うドラマを見ていました。


この番組は黒四ダム建設の資材運搬用に必要だったトンネル工事の物語です。
とにかく中央構造線を横断する工事ですから、難工事は覚悟していたものの、実際に始めてみると想像を絶する難工事で、相次ぐ落盤や異常出水などの事故続きで、殉職した人も続出し、当然工事も進まない絶望的な状態の中、作業員の士気を高めるため、工事関係者が皆で結束して切り抜けて行った姿が描かれています。
当時は昭和30年代初頭、工事の困難続きで追い詰められた中、当時の関係者達は「電力需要を満たし、日本の将来を支えるため」という使命感を共有して、問題の解決と工事の完成にそれこそ命がけで戦っていきます。


私の身内に、トンネルではないですが、黒四ダムの工事に携わっていた人がおりまして、当時の話を聞いてみると、工事はかなり大変だったそうで、ブルドーザーごと谷底へ転落してしまった作業員の姿を何度となく見てきた、と言う話を聞き、とにかく危険極まりない工事だった事だけは想像が付きます。


我々が当たり前のように使っている電気は、こういう先人達の努力によって得られたものである事に、感謝せねばならないですね。
球場もとりわけナイトゲームだと大量の電気エネルギーを消費しているんですから、野球が見られる事もこういった方々の御陰と言えます。


思えば、あの頃の日本には、戦争で疲弊した日本を立て直したい、貧しい現状の暮らしを克服したい、という大きな夢があり、その実現のために強力な人々のエネルギーが存在していたのではないかと思います。
そう言う意味では、皆が夢を持てる時代であったのかもしれません。
当時と比べると、現在は当時の夢物語が、相当な範囲で実現されてきていますが、そのせいで逆に実現している事への有り難みや、新たな夢を持つ事の意識が薄れてきているような気がしてなりません。


最近は景気の悪い話ばかりですが、あの頃の活力や夢に向けて努力する意欲を何とか取り戻す方法は無いものでしょうかねぇ・・・。